1997 年 61 巻 5 号 p. 551-556
半自然地域の景観形成素材としてウマノアシガタに着目した。ポット苗を16本/m2の密度で畦畔へ移植し, その後3年間刈取り管理を行った。移植後1年目には実生個体が確認でき, 移植後2年間は90%程度の親個体が生存した。3年目になると親個体の衰退がうかがえたが, 実生個体が大きく成長した。個体群を開花初期に刈り取ると, その後の開花数は少なくなり, 開花盛期に刈り取るとその後の開花は行われなかった。結実末に刈り取ると, 実生個体数は, 3年後に161/m2に達したが, 開花盛期に刈り取っても実生個体は56/m2を観察できた。年に2回から3回の刈取り管理を行っても, ウマノアシガタ個体群は衰退することなく増加した。