里山の高林化と種多様性の増加を目指して, アカマツやコナラなどの高木優占種を残し。照葉低木類, ササ類の伐採等の植生管理を行った。植生調査は, 兵庫県の里山林整備事業地9ケ所に定置調査区12区を設置し, 管理前から管理後最長3年目までの追跡調査を行った。その結果, 管理前後の植生を比較すると, 管理後種数の明瞭な増加が認められた。特に, 日本海側のアカマツーユキグニミツバツツジ群集とコナラーオクチョウジザクラ群集で著しい種数の増加が見られた。また, 植生管理後増加した種は, 里山の主要構成種であるブナクラスの種が中心であった。したがって, このような植生管理手法は, 里山の種多様性を維持・増加させるのに有効であると考えられた。