ランドスケープ研究
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都市内残存林における4種の落葉広葉樹種の分布と生育状況に関する研究
前原 大輔重松 敏則
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2000 年 64 巻 5 号 p. 529-532

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抄録

西日本の都市周辺にあるかつての薪炭林では, 自然遷移の進行により, 混交する落葉広葉樹種が常緑広葉樹に被圧され, 次第にその活力を失いつつある。福岡市の都市内残存林である鴻巣山緑地保全地区を対象に, 落葉広葉樹を含む多様な植物による季節景観の保全を目的に, クリ・クヌギ・ハリギリ・ホオノキの4種について調査し, それぞれの分布状況を把握するとともに, 各個体の生育状況ならびに隣接樹木の被圧の影響について分析した。その結果, これら4種にはスダジイやタブ等の常緑広葉樹種の被圧を受けて, 生育不良や立ち枯れが少なからず見られ, 周辺木の除伐など早急な保全管理対策が必要であると結果づけられた。

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© 社団法人 日本造園学会
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