2000 年 64 巻 5 号 p. 735-740
八ケ岳中信高原国定公園霧ケ峰地区を対象に, 二次草原における植生の維持と景観保全に考慮した植生景観管理方法を検討した。まず, 既往文献調査から二次草原の特質を論じた後, 景観調査として現地利用者アンケートを写真投影法とSD法を用いて実施した。さらに, 自然観察路周辺の植生調査も行った。写真投影法では, 二次草原の主要構成要素である草花などの近景要素, 遠景の山並みなどの眺望景観要素が多く撮影された。SD法による景観評価では, 写真投影法で抽出された興味対象の景観イメージを明らかにした。植生調査では, 歩道周辺における花群落の分布に影響を与える条件として標高と地形が重要であることが明らかになった。