2001 年 65 巻 5 号 p. 501-506
淡路島北淡町の農村地域のため池24ヶ所において,2000年の6月から9月の間,トンボ類の分布を調査した。出現したトンボ類の種数とため池の水域面積の間には明らかな関係が見られなかった。TW-NSPANによって,24ヶ所のため池は5つのタイプに分類された。ため池の環境についての変数を説明変数として,分類・回帰樹木を用いて分析を行った結果,ため池の区分には,ため池の位置する標高,隣接する樹林の存在,水域面積,水質が影響を及ぼしていることがわかった。特に,ため池の周囲の約半分以上で樹林と接していれば,林縁や暗い環境を好む種が出現することが明らかになった。