ランドスケープ研究
Online ISSN : 1348-4559
Print ISSN : 1340-8984
ISSN-L : 1340-8984
絶滅危惧植物カンエンガヤツリの発芽特性
宮久保 知和子上野 達也倉本 宣
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 65 巻 5 号 p. 553-556

詳細
抄録

絶滅が懸念されているカンエンガヤツリには, 突如大きな個体群を形成する現象が見られる。その現象を本種の種子発芽特性の点から解明するため, 実験室内において10の温度条件と4つの光条件を組み合わせ, 計40の条件区を設定して発芽実験を行った。その結果, 発芽には変温効果が認められ, 発芽に最適な温度条件下においては緑陰感受性は確認されなかった。本種に見られる現象は, 埋土種子集団の形成ののちの撹乱という環境の変化と, 変温効果による種子の裸地検出機構によるものであった。そのため, 本種の保全には埋土種子集団を含む浚渫土等が有効な材料となると考えられる。

著者関連情報
© 社団法人 日本造園学会
前の記事 次の記事
feedback
Top