腸内細菌学雑誌
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馬用に新規開発した生菌製剤の臨床効果
湯山 輝彦高井 伸二椿 志郎角 有希子諸富 正己
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2004 年 18 巻 2 号 p. 101-106

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抄録
新規に開発された宿主特異的な生菌製剤を育成馬および出生直後の仔馬に臨床応用し, 消化管疾病の予防・治療効果について検討するため, プラセーボをコントロールとした二重盲検臨床試験を行った. 育成牧場で飼養されていたサラブレッド種1歳馬で3日以上の下痢を発症した22頭および生産牧場で生まれたサラブレッド種仔馬46頭を供試した. 臨床試験に際し生菌製剤投与群 (以下投与群) と対照群を同数ずつ設定し, 育成馬については臨床症状の観察と短鎖脂肪酸量の測定を, 仔馬については臨床症状の観察とフローラ検索を行った. 育成馬では下痢発症率において6~8日目に投与群で有意に低かった. また, 仔馬では3週目に投与群で有意に低かった (p <0.05). 体重は21日目以降投与群において有意な高値を示し, 生後3カ月の平均体重は投与群の178.4±10.2kgに対して, 対照群では164.5±10.1kgであった (p <0.01). 以上の結果, 出生直後の生菌製剤投与は, 下痢の予防と仔馬の成長促進に効果的であると考えられた. また, 育成馬での生菌製剤投与は下痢などの消化管疾病の予防・治療に効果があると考えられた. さらに, 感染症の誘発などがなかったことからこの生菌製剤の投与は安全であり副作用が全くなく, 広範囲な臨床応用が可能であると思われる.
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© 2004 (公財)日本ビフィズス菌センター
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