腸内細菌学雑誌
Online ISSN : 1349-8363
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総説
ストレスと腸内フローラ
須藤 信行
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2005 年 19 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

常在細菌叢は,体表面積の95%以上を占める広大な粘膜面を介して生体と接触しており,その細菌数は成人で10 14,重量にして1 kgにも相当するとされている.これら常在細菌は,生後の消化管免疫組織の分化,発達において重要な役割を演じているが,最近では他の様々な生理機能へも関与していることが明らかにされつつある.ストレスにより腸内細菌叢が変化することは,古くから指摘されてきたことであるが,最近の研究により腸内細菌の違いがストレス曝露時の主要経路のひとつである視床下部-下垂体-副腎軸の反応性を変化させることを明らかにした.このように脳と腸内細菌は神経系,内分泌系,免疫系を介して相互に情報伝達していることが明らかとなった.

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© 2005 (公財)日本ビフィズス菌センター
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