腸内細菌学雑誌
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キトサンをコーティングした大腸崩壊性錠剤の崩壊部位
柏木 秀樹湯川 研一
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2008 年 22 巻 4 号 p. 263-268

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抄録
キトサンは,エビやカニの甲羅に含まれるキチンのアミノアセチル基を脱アセチル化して得られる安全性の高い素材であり,胃,小腸内では分解されず,大腸内において,Bacteroidesなどの腸内常在菌により資化され分解されるため,大腸への特異的送達を実現する素材として注目されてきた.そして,これまでにキトサンを素材としたハードカプセルが考案され,われわれはこのカプセルが大腸の上行結腸から横行結腸において崩壊することを証明した.今回,われわれはキトサンをコーティングした新たな大腸崩壊性錠剤を健常成人男性に摂取させ,経時的な単純X線撮影により崩壊部位を観察し,大腸の横行結腸において崩壊することを証明した.
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© 2008 (公財)日本ビフィズス菌センター
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