腸内細菌学雑誌
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総  説
16S rRNA配列を指標としたヒト腸内フローラ最優勢菌の系統関係
松木 隆広
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2008 年 22 巻 4 号 p. 253-261

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抄録
以前の生物・生化学性状を指標とした分類体系に変わり16S rRNA配列を指標とした分類体系が確立し,微生物生態の分野でもこの分類体系による議論が行われるようになっている.この分類体系が広く受け入れられているのは,16S rRNA遺伝子がすべての細菌に存在する事,系統分類を論じるのに必要な1,000塩基以上の情報を有していること,比較的容易に塩基配列の決定が可能であること,ほとんどの菌種の16S rRNA配列情報がデータベースに登録されていること,等の要因によるものである.腸内フローラの構成菌とその宿主に対する生理作用を議論するにあたっては,この新しい分類体系を理解することが不可欠であろう.本総説では,ヒト腸内フローラで最優勢に検出される菌群,特にClostridium coccoides group,Clostridium leptum subgroup,BacteroidesBifidobacteriumAtopobium clusterが,どのような菌種により構成されているかを解説したい.
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© 2008 (公財)日本ビフィズス菌センター
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