青森県弘前市岩木地区での住民健診である岩木健康増進プロジェクトは3,000以上の検査項目を含み1,000人規模で,20年近く継続している.このプロジェクトでの腸内細菌叢の研究として,Helicobacter pylori感染からおきる胃粘膜萎縮により胃酸の分泌が低下し,腸内細菌叢に大きな影響を与えることが判明した.また,脂肪肝であるNAFLDの病態と腸内細菌叢の関わりにおいて,NAFLDはGut-Liver-axisの破綻により酪酸産生菌であるFaecalibacteriumの減少を認めた.また,エクオールとその代謝に関わる腸内細菌叢の関係として,エクオール産生者は特にSlackia isoflavoniconvertensとの親和性が高いことが示された.腸内細菌は,未だ未解明の部分が存在するが,1,000例規模での評価ができる岩木プロジェクトのデータは非常に有用であると考えられる.