医薬基盤・健康・栄養研究所では,日本人の生活習慣や健康における腸内細菌叢の機能や役割を理解するため,日本人を対象とした大規模な腸内細菌調査に取り組んでいる.また,本研究領域の発展に貢献することを目的に,プロトコルの標準化や解析ツールの開発などを進め,他の研究機関への支援にも力を入れている.そのなかで,疫学と基礎を融合させた腸内細菌研究を推進し,肥満や糖尿病の予防や改善が期待できる腸内細菌の同定や作用機序の解明,腸内細菌が作り出すポストバイオティクスの探索や機能解析,腸内細菌叢の個人差に着目した個別化・層別化研究などを展開している.本稿では医薬基盤・健康・栄養研究所における腸内細菌研究の概要や最新の成果についてご紹介したい.