ビフィズス
Online ISSN : 1884-5134
Print ISSN : 0914-2509
Bifidobacterium breveによる腸内腐敗の抑制
遠山 清小林 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 6 巻 2 号 p. 151-160

詳細
抄録

Fischer 344/YIT無菌ラットを用いて作出したヒト型菌叢 (HF) ラットの腸内腐敗の特徴とBifidobacterium breve Yakult株 (BBY) 投与による抑制について述べた.BBY (108~1010/ラット/日) を単独またはガラクトオリゴ糖とともに2週間以上経口投与すると, 尿中のインジカン, インドール-3-酢酸, カダベリン, ピペリジンおよびp-クレゾールの排泄量が有意に減少した.これは, 腸内細菌のトリプトファナーゼ, リジンデカルボキシラーゼ活性の抑制に起因したインドールおよびカダベリン産生抑制のためであった.この時のBBYの最少有効投与量は109/日であった.これらの腸内腐敗の変化は, ラットに基質を強制負荷して腸内腐敗を増幅したとき鋭敏に検出された.使用したHFラットの腸内細菌数および腸内腐敗は投与したヒト糞便や通常ラットに近似していた.

著者関連情報
© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
前の記事 次の記事
feedback
Top