抄録
大豆ホエーから難消化性ガラクトオリゴ糖 (SOR) を精製し, それがヒトの腸内発酵・腐敗産物生成に及ぼす影響を調べるために, in vitroによる糞便培養実験を行った.SORの糖組成は, スタキオース76%, ラフィノース22%, ショ糖2%であった.成人5名 (男性4名, 女性1名) より新鮮糞便を採取し, 糞便培養法を応用してSOR, ショ糖 (SUC) をそれぞれ添加し37℃, 3時間嫌気培養した.各群の短鎖脂肪酸 (SCFA), 腐敗産物 (アンモニア, インドール, スカトール等) およびpHを測定した.1) SOR, SUC群は, SCFAのうち糖発酵によって生成する酢酸および酪酸が有意に増加し, pHは有意に低下した.2) 腐敗産物のうち, インドール, アンモニアは対照群に比べ有意に減少した.