抄録
O-β-D-galactopyranosyl-(1→4)-O-β-D-galactopyranosyl-(1→4)-D-glucopyranose (GL) を2.5%含有する精製飼料または2%あるいは4%含有する飲料水をICRマウスにそれぞれ4週間および3週間与えて, 盲腸内のフローラと短鎖脂肪酸濃度の測定を行った.乳糖2.5%含有飼料に比べて, GL2.5%含有飼料給与群においてはStaphylococcusの顕著な減少 (p<0.001) が認められたが, その他の菌群には有意な変化は認められなかった.ただし, Bifidobacteriumのフローラ占有率は乳糖群の2倍であった.短鎖脂肪酸濃度はGL飼料群において顕著な増加が認められた (p<0.01).特にプロピオン酸およびn-酪酸の増加が顕著であった (p<0.01-0.001).GL溶液 (2%, 4%) を飲料水として与えた場合, 酢酸, プロピオン酸およびn-酪酸はGL濃度に比例的な増加を示した (p<0.05-0.01).特にn-酪酸濃度の増加率は最も大きかった.一方, iso-酪酸およびiso-吉草酸は顕著な減少を示した (p<0.05-0.01).GLは単なるBifidobaclerium増殖因子のみでなく, その他のn-酪酸産生細菌の促進因子となり得ることについて考察した.