腸内細菌学雑誌
Online ISSN : 1349-8363
Print ISSN : 1343-0882
ISSN-L : 1343-0882
発酵乳摂取が健常成人の便性, 糞便内菌叢および腐敗産物の生成に及ぼす影響
瀧口 隆一宮本 真理望月 英輔鈴木 豊飯野 久和
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 11 巻 1 号 p. 19-24

詳細
抄録

健常成人87名 (男性39名, 女性48名, 平均年齢28.1歳) に, Lactobacillus acidophilus SBT2062株, Bifidobacterium longumSBT2928株, Streptococcus thermophilus SBT1035株およびLactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus SBT0164株を用いて調製した発酵乳を1日に100gずつ2週間摂取させた.また, 87名中14名 (男性5名, 女性9名, 平均年齢27.6歳) にっいては糞便内菌叢の解析を実施した.発酵乳の摂取により, 便の形状の改善, 便の色調の暗褐色系から黄色系への移行, 便の臭気の低減, および排便回数の比較的少ない被験者の排便回数の増加が認められた.また, 摂取により, Bifidobacteriumの菌数および占有率の有意な増加, bacteroidaceaeの菌数および占有率の有意な低下が認められた.さらに, 糞便中のアンモニア量は減少する傾向が認められたが, かクレゾール, インドールおよび糞便pHには, 摂取による変化は認められなかった.

著者関連情報
© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
前の記事
feedback
Top