日本経営工学会論文誌
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在庫量・発注量変動により発生するコストを制御する定期発注方式に関する研究
西嶋 淳後藤 正幸俵 信彦
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1999 年 50 巻 4 号 p. 207-215

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抄録

生産-在庫システムにおいては, 安全在庫量低減のため期末在庫量変動を低く抑え, 生産水準安定のために発注量変動をも低く抑えることが重要である.このことから, 期末在庫量・発注量変動を期末在庫量・発注量分散として捉え, この両分散を制御する生産-在庫システムの研究がなされている.しかし, 期末在庫量が変動することにより, 安全在庫量分の在庫保管費用や品切れ損失費用などが余計に発生すると考えられ, また, 発注量が変動すると生産量が変動することになり, 増産体制を敷いて生産を行うための費用や, 遊休損失費用などが発生してくるといえることから, 本来評価関数はこれらのコストの関数となるべきと考えられる.よって本稿において, "有色雑音を持つ確率システムに対する最適制御則を導入した定期発注方式"において重み付け係数を適正に決定することで, 期末在庫量・発注量変動により発生するコストの最小化が可能であることを示す.

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© 1999 公益社団法人 日本経営工学会
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