日本経営工学会論文誌
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AHPにおける対数型ファジィ数を用いた相対的重要度決定法
倉重 賢治亀山 嘉正宮崎 茂次
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1999 年 50 巻 4 号 p. 216-225

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抄録

定量化が困難な意思決定問題に対して, AHP(Analytic Hierarchy Process)がよく用いられている.AHPの使用においては, それぞれの評価項目と代替案に対して, 相対的な重要度を決定する必要があり, "少し"や"かなり"などの修飾語が一対比較に用いられている.本研究では, 意思決定者が修飾語に対して持っている感覚を当てはめたファジィ数を用いて, 相対的重要度を決定する方法を提案した.従来のAHPでは, 修飾語に対して, 線形増加する1〜9の数値が使用されているが, ここでは, 数値が指数的に増大する場合を考える.そのため, 対数スケール上にファジィ数を表現する.本研究で提案しているAHPの手順は以下の通りである.まず最初に, 各修飾語に対する数値, および十分満足のいく範囲を意思決定者に答えてもらう.次に, それらの値から対数スケール上にファジィ数のメンバシップ関数を作成する.最後に, ファジィ線形計画問題への定式化を行い, 各要素の相対的重要度を算出する.また, グループ意思決定問題に対する適用法の提案も行った.さらに, 数値実験によって従来の方法との比較を行い, 本解法の有効性を示した.

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© 1999 公益社団法人 日本経営工学会
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