抄録
本研究ではジョブショップにおける最大完了時刻最小化問題に対し, アクティブ・スケジュールを列挙することで最適解を求めるという基本的アプローチが, 複数のコンピュータに処理を分担させることで効率的に行えるのではないかという考えのもと, 1台のサーバーと複数台のクライアントがネットワークで連結された環境に対し, 問題の分配方法ならびにサーバーとクライアントの処理内容と問題の再配分方法を提案している.数値実験によって特徴を検討したところ, いくつかの問題については, クライアントの台数を増加させることにより計算時間が大幅に短縮されたが, 台数の増加分に見合う時間削減が行えなかったり, 台数の増加に伴って計算時間が増加した場合もあるなど, 分散処理の可能性と問題点が明らかとなった.