抄録
本研究では, 多段の直列部品加工工程の後に, 1工程の製品組立工程が続く生産システムにおける部品加工スヶジューリングを扱う.このシステムではロットをいくつかの均等なサブロットに分割できるロットストリーミング環境を想定し, 平均所要時間の最小化をはかる.本研究では対象とするシステムを数理計画問題にモデル化し, 間接列挙法に基づく解法を提案する.計算実験に基づき, 提案アルゴリズムの有効性を評価した.提案アルゴリズムでは, 部品種数が8程度の問題を解くことが可能となった.提案アルゴリズムは, 生産量の約数の数が比較的多いときだけでなく, 生産量の約数の数が少ないときにも良い解を与えることができるアプローチを2つ提案する.後者のアプローチにより, 約数の数が少ない生産量のときにも良い解を短時間で得ることが可能となった.