日本経営工学会論文誌
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2段階分枝型在庫システムにおける補充レベルと留保量
曹 徳弼
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2001 年 51 巻 6 号 p. 550-557

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抄録

本研究では, 1つの中央倉庫(以下CW)およびm個の地方倉庫(以下BW)からなる2段階分枝型在庫モデルを対象とする.CWはCL期ごとに外部に定期的発注を行い, 地方倉庫へはCL期間中に2回の補充を行う.外部からCWに品物が到着すると, そのうちの一定量をCWに留保し, 残りは直ちに各BWに配分される.この1回目の各BWへの配分量は発注してから入荷するまでの補充リードタイム期間中の各BWにおける実需要状況を考慮して決定される.そしてCWは留保分の在庫を, 各BWの在庫水準をモニターしたうえで補充サイクル期間中の適切な時期に各BWに配分する.この2回目の配分は各BWに対して同時に行われ, 配分量の計算には最適配分方法が用いられる.本研究では, 外部からCWへのリードタイムが存在するとき, 留保分の在庫の配分前と配分後におけるサービス水準を等しくする条件のもとで, システム補充レベルとCWへの留保量の計算式を導出した.逆にシステム補充レベルとCWへの留保量を与えた場合には, 総欠品数を最小にするような留保量の最適な配分時期を求め, 従来モデルと平均在庫を比較することにより提案モデルの優位性を示した.

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© 2001 公益社団法人 日本経営工学会
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