日本経営工学会論文誌
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流動数曲線の初期在庫による分類とリードタイムと在庫の関係に関する研究
臼杵 潤北岡 正敏
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2001 年 51 巻 6 号 p. 558-565

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抄録

流動数曲線は生産システム分析や改善に広く使われている手法である.近年, 流動数曲線に関する数学的な解析手法に関する研究が行なわれるようになったが, 流動数曲線を正確に表現するためには, 時系列データを取得する際の計測開始時点の情報が必要となる.本研究では, 計測開始時点の在庫情報や生産状態により, 流動数曲線の表現を分類する.ここで扱う生産状態とは, 新規に生産が行なわれる場合と継続して生産が行なわれている場合とについて取り扱う.具体的には, 一定時間間隔に計測された時系列データを用いた流動数曲線の離散表現と, 理論的に示される連続表現に関し, 初期在庫量と計測開始時期の流入量とから分類した.また, 原始データの累積に関し, 流入量, 流出量と初期在庫情報をもとに生産状態別に整理した.さらに, この結果を用い, 生産が安定している場合, 流動数曲線で表現されたグラフにおいて, 流動数量(在庫), 流入量と流出量の累積値との関係から平均所要日数(リードタイム)を近似表現できることを数学的に証明した.

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© 2001 公益社団法人 日本経営工学会
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