2001 年 51 巻 6 号 p. 574-586
本論文では, 部品等に発生するき裂のように, 修理を実施するたびに寿命時間が確率的に小さくなるという現象を表すため, 幾何過程を用いたマルコフ的劣化システムを構築し, 長時間における単位時間当たりの期待コストを最小とする最適政策を求めるためのアルゴリズムを提案している.この場合の最適政策がコントロールリミット・ポリシーとなり, 状態が劣化するにつれ, 点検間隔が短くなっていくことを示す.さらに, 数値実験を行い修理回数が増加したときの性質も調べている.