抄録
本研究では, A社のSCM導入プロジェクトに参加して, 従属需要における安全在庫量設定のためにMRP在庫シミュレータを作成し, 部品レベルでの効果的な安全在庫量の初期設定法を提案している.この設定法では, 納入リードタイムは一定として, 安全係数と欠品率のみ可変としている.まずそれによって, 実データによる調達金額等の挙動について調べ, その最小値や横U字曲線を見出している.次に, 在庫(調達)金額が一定のもとで, 全部品に共通の安全係数を与えた場合と, 部品の重要度のランク別に個別の安全係数を与えた場合の欠品率を評価指標として比較し, 安全係数の差別化のメリットを示している.
