日本経営工学会論文誌
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廃棄時間が短い製品の最適発注量の研究
太田 貴子田川 晋一武岡 一成
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2006 年 57 巻 5 号 p. 364-373

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抄録

製品を発注する方式として,従来は定期発注方式や定量発注方式が用いられている.しかし,これらの発注方式は,劣化が早い弁当,野菜,ケーキ等の生鮮食品や,新聞といった製品には適さない.つまり,発注方式を決めるには製品特性を考慮しなければならない.本研究では,製品の特性として廃棄時間を取り上げている.廃棄時間は劣化の遅速により決まる.劣化の遅い製品は製品価値が変わらないので,ストック型コントロールを取ることができる.劣化の速い製品は製品価値が急速に変わるので,一般にスルー型コントロールをとる.このような製品は,売れ残ると廃棄処分されるため,時間と数量によって値引きが発生する.従来の発注方式の研究では,主にストック型コントロールが用いられている.そこで,本研究は製品劣化が速く,廃棄時間が短い製品を取り上げて,利益に基づいて最適発注量を算出する場合の基本式を,定価販売と値引き販売を含めて一般式として導出した.その結果,値引き販売の最適発注量を算出する基本式は,定価販売の基本式に修正項を加えるだけで構築できることが分かった.

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© 2006 公益社団法人 日本経営工学会
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