日本経営工学会論文誌
Online ISSN : 2187-9079
Print ISSN : 1342-2618
ISSN-L : 1342-2618
短納期の工程における納期遅れペナルティを考慮したx^^-管理図の経済性モデルに関する研究
孫 晶椿 美智子松井 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 57 巻 5 号 p. 374-387

詳細
抄録

PDCA管理サイクルの概念が1930年代にシューハートにより提唱され,50年代からデミングにより大きく発展し,品質管理分野で重要な役割を果している.また,品質管理工程においては,x^^-管理図を用い,管理を遂行するときに,新たに管理線を決めることから始める場合と,受動的に異常が発生したとき,その異常を究明して処置を行うため,工程を調べること(Check)から始める場合がある.本研究では,まず,その二つの場合に基づいて,納期遅れのペナルティを考慮したPDCAモデルとCAPDモデルそれぞれを定義し,納期の変化による両モデルについて詳しく分析し,数理的定式化例を示している.次に,3σルールとARL(Average Run Length)によって異常を判断する両モデルの検討を行い,さらに,数値考察により,両モデルの総期待コストCtを最小化するために,短操業時間における時間に関係するパラメーターとCtの関係についての詳細な考察を行う.最後に,両モデルの比較を行うことによって,短納期工程においては,CAPDモデルよりPDCAモデルの総期待コストの方が安いが,納期が長くなると,CAPDモデルよりPDCAモデルの総期待コストの方が高くなることが分かった.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 日本経営工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top