2015 年 65 巻 4 号 p. 278-285
多くの在庫管理の研究において,リードタイムは所与として扱われている.しかし,追加費用(クラッシングコスト)を支払うことによって,リードタイムを短縮できる状況は少なくない.実際に,リードタイムの短縮を考慮した研究はいくつか行われている.本研究では,発注量とリードタイムの短縮期間の両方に依存するクラッシングコストと欠品量に依存して変化するバックオーダー率を考慮し,発注量・発注点・リードタイムを決定変数とする在庫モデルを提案する.そして,提案モデルに対する近似解の導出を行い,数値実験により提案モデルの有効性を示す.さらに,感度解析により,リードタイムの短縮を行うべき状況を明らかにする.