抄録
サプライチェーンにおいて,最終需要の変動が増幅されながら上流側へ伝搬するブルウィップ効果と呼ばれる現象が知られている.ブルウィップ効果の抑制には最終需要情報の共有が有効と言われているが,現実のチェーンでは情報共有の実現は必ずしも容易ではない.本論文では,チェーンの各段階が上流段階に発注する際に,発注情報とともに最終需要情報も伝達するモデルを取り上げる.このモデルでは,上流側ほど遅れがあるものの,最終需要情報共有が実現される.評価式ならびにシミュレーション実験によりモデルを評価し,時間的に遅れた最終需要情報であっても,各段階がそれらを共有することでブルウィップ効果を抑制できることを明らかにした.