デザイン活動の作業プロセスに関する研究が多く行われている.デザイン活動には顧客の問題とニーズが所与である受託的タスクのデザイン活動と,所与でない自作的タスクのデザイン活動がある.先行研究は主に前者を対象としており,後者の作業プロセスは対象でない.そこで本研究では自作的タスクの作業プロセスの特徴を明らかにするため,コンテンツデザイナーを対象とした作業プロセスの実証的調査を行った.具体的には作業中の定期的な質問表示と回顧法を用い両タスクの作業プロセス中の5つの行動(問題分析,解決策構想,解決策実装,解決策評価,その他)の構成を調査,比較した.調査の結果,自作的タスクでは行動は順序立って現れること,問題分析が殆ど行われないこと,プロット(成果物のアウトライン)作成後の解決策構想の割合が受託的タスクの場合より大きいことが明らかになった.以上より,自作的タスクのデザイン活動の作業プロセスの特徴として,構造化可能性,自己嗜好中心性,アウトラインの未決定性,継承性が示唆された.得られた知見はデザイナーの作業を支援する実務的施策やツールの策定に有用であると考える.