本研究では,日本料理レストランの店舗における調理場の労働時間削減を目的として,担当組み換え方式の導入を試みた.従来日本料理レストランでは,1従業員が1調理場所を担当するため,需要の変動に対する投入労働時間の弾力性が低いことが課題であった.この問題を改善するため,事前に作業計画を組みやすい時間帯は行動観察によって調理作業を統合し,必要工数を削減するとともに,状況に応じて1従業員が複数調理場所を担当するセル類似のミニキッチンを導入することで工数削減を図る担当組み換え方式を実店舗に導入し,同方式の労働時間削減に対する有用性を検証した.その結果,1)下処理作業が多く,作業計画を組みやすい開店前,およびミニキッチンの稼働が可能である夕食時間帯は担当組み換えの効果が高いこと,2)担当組み換えにより,調理に必要な労働時間投入の弾力性向上が可能であること3)ミニキッチンで調理するためには高スキル従業員が必要なため,パート従業員比率の高いファストフードやファミリーレストランへの導入は容易ではないことがわかった.