2018 年 69 巻 1 号 p. 33-45
新興国における生産拠点において複数年にわたり実施された職務満足向上対策を事例として用い,職務満足要因から継続就業意思への影響を分析する.継続就業意思に関しては会社への継続就業意思,今の仕事への継続就業意思および今の仕事に対する意欲からなる3項目が設定され,職務満足要因として29項目が設定された.質問紙調査による回答から職務満足要因が持つ情報を抽出するために,主成分分析により低次元空間に情報を縮約した.次に,主成分分析により得られる少数の主成分から職務満足に影響が及ぶことを表すパス,さらに職務満足から継続就業意思に影響が及ぶことを表すパスから成る構造モデルを仮定した.調査データのクロス集計から,年度により継続就業意思に有意差のあることが示された.年度別に職務満足要因から継続就業意思への影響を共分散構造分析により分析した結果,すべての年度で継続就業意思への影響が有意な職務満足要因と,年度により影響の有無が変わる要因のあることが示された.