2018 年 69 巻 1 号 p. 21-32
スポーツのトーナメントシステムとして有名なものに,ラウンドロビンやイリミネーションなどがある.前者は,全参加者の順位が明確につけられる一方で,総試合数が膨大になる.後者は,少ない試合数で上位のプレーヤーを決定できる一方で,全参加者の順位がつけられない.両者の欠点を補う手法として,サイクリック計画やスイス式トーナメントなどが提案されている.
本研究では,サイクリック計画やスイス式トーナメントを参考にし,一対比較法を用いた新たな手法を提案し,上述のラウンドロビンやイリミネーションの欠点を補完することを目的とする.各手法の推定順位の精度や試合数を比較することで,提案トーナメントシステムの優位性を示す.