2025 年 75 巻 4 号 p. 156-169
本研究の目的は感情経験の共有が組織の柔軟性に与える影響を明らかにすることである. 実際に働いている社会人を対象に質問紙調査を実施し, 仮説を検証した. その結果, 感情経験の共有の度合いは, 従業員自身の組織の柔軟性の知覚と有意な相関を明らかにした. 特にダイナミック・ケイパビリティに対して, 感情経験の共有度合いがより影響を及ぼすことを示した. また職場の組織文化によって影響度合いが異なることも明らかとなった. 本研究の結果は, 感情の社会的共有など職場における従業員のインフォーマルなインタラクションの文化を醸成することの重要性を示唆している.