抄録
作業測定における所要観測回数の決定法として, バーンズ流の信頼区間法が広く紹介されている.この従来法には, 実用的側面からまだ検討されなければならない若干の問題点が含まれている.本論文では, まず, さきに提案した精密法の決定式にもとづき, 所要観測回数決定のための具体的な手順を与える.その際, 従来法と本法のちがいについても補遺する.なお, 範囲を用いた簡易法に関する決定式を提案し、これと精密法との比較結果も示す.つぎに, 精密法または簡易法による所要観測回数を実際に決定するのに便利なように, 実用的な範囲内での数値に対するそれぞれの簡単なノモグラフを与えた.作業測定では精度の決定がこれと観測費用との関連性から, 非常に重要な問題の一つである.そのため, ここではその決定の一つの目安を示す意味で, 精度を変数としたときの他の関連要素との関係も簡単に示しておいた.