抄録
n個のステージよりなる直列型在庫システムの適正在庫量を決定しようとするものである.注文はステージ1のみに対してなされ, 一期間の注文量はある分布に従うものとする.ステージ1で不足が起こると, 注文はステージ2,ステージ3へとくり越されていくが, このとき, 納期その他の関係で注文の一部はキャンセルされる.このようなモデルにおいて, 販売額と費用の差を最大にするような適正在庫を求める.本研究は, 物流システムへの適用が可能なように, J.G.Bryanらのモデル〔3〕に, 発注費用, 保管費用, 輸送費用, 品切れ損失費用を付加し, ステージ数を一般化した.そして, 注文量の分布と各ステージの在庫量が払い出される確立について考察を加え, これを利用して限界利益の概念の導入へ展開し, 在庫量決定アルゴリズムを導いた.さらに適正在庫量に対する期待利益, サービス率を求め, これらと品切れ損失費用との関係をみるための基礎を与えようとするものである.