日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
並列型独立作業場の処理時間に関する研究
古谷野 英一
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1976 年 26 巻 4 号 p. 355-359

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抄録
本稿は事務が並列型独立作業場モデルに"入力-処理 出力"する入出力関係よりその事務作業場の入力条件に対応できる事務員定数を査定する「I/O方式による事務定員査定法」を開発するための基礎として, 事務作業場の処理時間の平均値・変動係数の性質を考察することを目的とする。事務作業場の処理時間とは入力事務を事務作業場に山積み入力するときの出力事務の出力時間間隔をいう。本稿では複数の事務員で構成する並列型独立作業場の処理時間の平均値・変動係数が入力事務件数および事務員数の増加により, いかなる影響を受けるかを考察した。本考察結果より並列型独立作業場の処理時間の平均値は入力事務の種類の構成比比率を一定として事務を入力するとき, その事務件数が増加しても一定の値を示し, かつ現行の事務員数を1組としたその倍数の逆数に比例することが認められた。また事務作業場の処理時間の変動係数は入力事務件数が増加しても一定で, 事務員数の倍数の増加に対しやや増大傾向をもつことがわかった。以上のことから並列型独立作業場の処理時間の平均値は入出力関係を利用して事務員定数を査定するための事務員定数査定指標として用いることができる。
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© 1976 公益社団法人 日本経営工学会
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