1979 年 30 巻 1 号 p. 48-53
本報では, 時系列の非定常な変動に対してパラメータ値を適応的に変更して予測する方法を取り扱う.とくに, 追従性をよくするために, パラメータ値変更の際の評価基準として予測誤差の加重2乗和を用いる.ただし, これはX^2分布に従わないため, ガンマ分布による近似式によっている.これらを考慮したうえで, もっとも望ましいパラメータ値変更の検定方式として, 予測誤差分散の信頼区間による方法を提案する.この方式は, 指数加重の場合には, 自由度が減少してもまた重みのつけ方によらず, 分散の信頼区間の下限はほぼ一定となる利点をもつ.なお, 実在のデータとシミュレーション・データとを用いた予測例を示し, 本方式の実用性を検証する.