日本経営工学会誌
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2部門組織体における機会損失分析 : 機械損失による部門業績測定の原理と方法(第2報)
佃 純誠
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1979 年 30 巻 3 号 p. 231-237

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抄録
組織体の最も単純な形である「2部門から成る組織体」全体の業績を「総機械損失」によってとらえ, これを組織体構成各部門の責任に帰すべき「部門機械損失」に分解する方式について考察する.このために, 最も一般的な場合に関して定義された複数個の利益概念に対応する利益額と, これから導かれる10種の利益差額の意味内容, および利益差額間の相互関係について考察し, 「総機械損失の部門機械損失への分解」に利用できる四つの利益差額(部分機械損失)を識別する.この四つの部分損失機械のうち, 二つの部分機械損失だけを用いる分解方式として四つの方式が考えられるが, 簡単な仮設例についての計算の結果, これら4方式の分解結果はユニークに決まらず, 相互の適切性比較も困難である.これらの問題点は, ここで提示される「四つの部分機械損失全部を用いる"総合的分解方式"」の採用によってすべて解消することができる.
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© 1979 公益社団法人 日本経営工学会
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