抄録
スケジューリングにおいて, 納期に関する従来の評価尺度を吟味・検討し, 問題点のあることを指摘した.それは, ジョブの完了が納期以後, 以前のいずれのときにも損失の発生する場合に適用できる評価尺度が存在しないことである.本報では, そのような場合の新しい評価尺度(総納期ずれ損失)を提案する.提案した総納期ずれ損失を最小化するための最適化アルゴリズムを分岐限界法を用いて示す.分岐限界法では3種類の下界をとりあげ, 計算時間に制限を設けない場合, および設けた場合の数値計算結果を示して, その有効性を比較検討する.