抄録
企業における情報処理システムの形態として, 集中と分散の処理形態が考えられる.分権管理の組織である事業部制は, 市場経済のメカニズムを企業内に導入するものであり, そのなかでの, 電算センターの分散配置も, 組織の活性化, モラールの向上, 製品分野ごとのアプリケーションシステムでのスペシャリストの育成等にそのメリットが発揮される.そこで、電算センターの分散配置について, 定量的に比較的可能な項目のコスト比較を行った.その結果, 小規模事業場が多数分布しているような場合には, 分散化してもほとんどコスト高とならず, 大規模事業場が比較的少数である場合には, 事業本部単位程度の分散化が好ましいといえる.本提案のコストの定式は、事業部制をとる企業での分散化の程度を決定することができる.