抄録
ファジィ数に関する演算の概念は拡張原理を使って, Zadehによって導入された.それ以来, 多くの研究者がファジィ数の性質を研究し, その応用を発表した.本研究は, 実用的な方法で, DuboisとPradeによって扱われたファジィ数の演算をαレベル集合で考察し, 整理した.そして, ファジィ数の数値計算を行うためのいくつかの演算規則を簡単な方法で提案している.ある条件を満足する帰属度関数で定められるファジィ数に関する演算が拡張原理を用いないで, 提案した演算規則だけ適用することにより, 容易に計算できることを明らかにしている.最後に水本と田中氏等のαレベル集合によるファジィ数演算の扱いと本研究とを比較した場合の特徴を指摘している。