日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
プロジェクト・スケジューリング問題の一最適解法 : 拡張型集合詰込問題の解法の利用による
坂元 克博
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 37 巻 1 号 p. 44-50

詳細
抄録

本論文では, 有限資源下でのプロジェクト・スケジューリング問題に対する最適解法を提案する.本解法は, Patterson-Huberの方法と同様に, スケジュール期間を下界値から順次1期ずつ増加させ, そのときスケジュール期間が与える問題の実行可能性を調べる.そのさい, 生成される一連の問題は, すべて制約式の係数が0か1の値でかつ定数項が正の整数値である拡張型集合詰込問題として定式化される.この問題は, 作業間の先行関係を示す制約と資源の利用可能量の制限を示す制約を, 同一期間に割当が許されない作業の集合群という制約として表現することで求まる.数値実験の結果, 本解法はPatterson-Rothの方法とくらべ, 計算時間は小規模問題の場合短時間で最適解が求まっているものの必ずしも短いとは限らないが, 変数の数が百数十以上の問題においてはかなり短いことが明らかになった.

著者関連情報
© 1986 公益社団法人 日本経営工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top