抄録
企業評価は企業と関係をもつ者にとっての一大情報源である.そしてこの情報は, 評価目的に合わせて作られていると考えられる.そこで本研究では, 評価目的の違いによる評価ポリシーの違いを各財務指標に対するウェイトの違いとして捉え, 複数の評価目的間の関係を定量的に分析する方法を提示する.具体的には, 財務指標を情報とする目的別の企業評価データを収集し, 重回帰分析を用いて財務指標に対するウェイトを推定する.そして目的別に得られるウェイトの間の乖離度を求め, 数量化理論IVにより尺度構成を行い, 評価目的を平面布置して視覚的に捉えられるようにしている.