日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
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フローショップ型受注生産工程の特性解析 : フローショップ生産計画方式の研究(第1報)
三留 和幸
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1987 年 38 巻 1 号 p. 26-33

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抄録
受注生産工程では, 注文納期が短期化し, 需要量変動が大きい.このため, 納期遅延や負荷変動が大となり, 顧客に対する信頼性の維持と効率的な生産の遂行, が妨げられる.さらに, 生産は一般に多段工程で行われ, 機械間での作業の相互干渉が発生し, 生産計画の策定をむつかしくする.本報では, 多段工程の基本形であるフローショップ型生産工程を対象に, その生産計画方式と外部条件に対し, 系の基本的な特性を解析する.すなわち, 従来の実務的な生産計画方式として, "リードタイムスケジューリング方式"と"納期優先型スケジューリング方式"を, また, 外部条件として, 注文納期を指標化した"平均生産許容機関"と需要変動を指標化した"需要集中係数"の変化に対して, 負荷変動量や納期遅延量等を実験的に観測し, 機械の負荷変動を分析する.その結果として, 負荷変動の主要成分は需要変動に起因し機械間で共通であり, 機械ごとに固有な成分はジョブの作業時間の差異に起因し短周期で小振幅であることを示す.
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© 1987 公益社団法人 日本経営工学会
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