日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
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VDTワークステーションに関する人間工学的研究 : スクリーンに対する好ましい視線の角度
窪田 悟大倉 元宏大久保 堯夫
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1988 年 38 巻 6 号 p. 393-398

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抄録
VDTスクリーンに対する好ましい視線の角度を求めるために二つの実験を行った.実験Iでは, 頭部を垂直に固定し眼球の回転角を実験変数として, 主観評価, 眼球運動のパフォーマンスなどから好ましい視線の角度について検討した.被験者は30名である.結果は, 好ましい視線の角度は0°(水平)〜-20°(水平より下方)の範囲にあり, 平均値では約-10°であった.また, 0°より上方では, 眼球運動のパフォーマンスに有意な低下が認められた.実験IIでは, 頭部を自由にし, 視線の角度を背もたれの角度を実験変数として, 各条件における頭部の傾きと眼球の回転角の関係を求めた.被験者は32名である.結果は, 上体が後傾するにつれて, スクリーンに対する好ましい俯角は小さくなった.背もたれの角度が75°, 90°, 105°を好む被験者が最も多く, そのさいの好ましい視線の角度は-16°で, そのうち頭部の傾きが-3°, 眼球の回転角が-13°であった.
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© 1988 公益社団法人 日本経営工学会
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