1989 年 40 巻 1 号 p. 1-9
受注生産工程では, 注文納期が短期化するとともに需要量変動が大きい.このため納期遅延や負荷変動が大となり, 顧客に対する信頼性の維持と効率的な生産の遂行が妨げられている.さらに, 生産は一般に多段工程で行われ, 機械間での作業の相互干渉が発生し, 生産計画の策定を難しくしている.本報では, 受注生産を行うフローショップに関し, 負荷変動特性を考慮した生産計画方式を提案する.すなわち, i)計画時点に関して二階層計画構造を, ii)負荷平滑化生産能力計画アルゴリズムに関して等価的フローライン方式を提案する.等価的フローライン方式は, 受注生産を行うフローショップをスケジューリングの観点からフロー制御要素と工程遅延要素とによりモデル化し, Dynamic Programming手法を用いた最適化生産計画方式である.この提案方式は従来のリードタイムスケジューリング方式等に比較し生産能力の平滑化や納期遅延が大幅に低減できることを実験的に示す.