抄録
2機械のFMSを, Johnson法やJackson法で運用したり, 3機械以上のフローショップ型FMSを総処理時間最小化の近似解法で運用したりすると, バッファ容量の制約により稼動率の大幅な低下をまねく.前報ではこれを解決するために分割スケジューリングによる運用法を提案した.本研究では, 3機械以上のジョブショップ型FMSに分割スケジューリング法を適用するための第一歩として, 3機械ジョブショップ型FMSを対象にとりあげ, 総ジョブ数やグループ・ジョブ数が解の近似度とバッファ数量に及ぼす影響を明らかにした.その結果, 加工時間が一様分布に従い, 各加工経路のジョブ数が均等である場合に, 分割スケジューリング法で運用すれば, グループ・ジョブ数が20のとき解の近似度は, 1.02と高く, バッファ容量は機械1台当り6と十分小さくなった.これに基づき3機械ジョブショップ型FMSの運用法を提示した.