日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
純音の高さを用いたファジィ操作の実験心理学的検討
小田 哲久尾関 守
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1990 年 41 巻 2 号 p. 120-132

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抄録
聴覚刺激のうちで最も基本的な純音を物理刺激として, その高さを表わす言語概念「高い」と「低い」を組合せ, また, 否定あるいは強調の副詞を加えて, 8種類の言語刺激を作り, 被験者の応答から, これらの言語概念のメンバーシップ関数(MF)を得た.これらのMFを説明する論理モデルを.ファジィ集合論の予想に基づいて作成し, モデルの適合性を検討した.その結果, 言語変数に関するファジィ集合論の各種予想のうち一部分の妥当性が確認できた.また, 「ORタスク」の結果は, 通常の論理和(非排他的論理和)ではなく, 排他的論理和によく適合することが示された.なお, その事は, 演算規則が最大最少ルールか積和ルールかに依存しない.このような結果が得られたのは, 接続詞「または」で結ばれた概念が同一次元上の, 対立概念であったためと考えられる.
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© 1990 公益社団法人 日本経営工学会
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