1990 年 41 巻 3 号 p. 153-164
本研究はグループ作業における各集団統合化要因の関連性について考察している.各要因を構成する質問項目の設定にあたっては集団心理学(group dynamicsおよびgroup process)の立場から行い, これらを試行錯誤的なアプローチによって層別し, 集団統合化要因モデルを設定した.調査方法は郵送法によるアンケート調査であり, グループ作業の構成員であるリーダーとメンバーの両者に対して行われた.結果の解析においては仮説を設け, これを検証している.検証し確認された内容を次に示す.(1)各要因に対する評価は, グループサイズの増加とともにその好意(肯定)的回答は減少し, リーダーとメンバーでは各要因に対する評価は異なっている.(2)各要因の関連性はグループサイズによって異なり, リーダーとメンバーでも異なっている.(3)各要因の関連性のなかには, グループサイズの影響を受けない強い関係が存在する.以上の知見から, 最終的にチームワークを構成すると思われる要因を抽出した.