抄録
近年, 海外に生産拠点を設けて現地組立生産方式により製品を市場に供給する企業が増加しているが, 海上輸送により国内から部品を調達する場合, 輸送リードタイムが著しく長くなり, 需要量の変動による部品の品切れを発生する確率が大きくなる.本研究では, 現地組立生産システムにJIT生産方式の概念に基づく引張り型生産・輸送指示方式を適用して, 輸送済み在庫点における不足量をフィードバックするとともに, 組立加工待ち部品の手持ち在庫量の制約を考慮して製品の実生産量を求める計算式を提案し, 数値実験により, 現地組立加工工程の生産の信頼性を維持するための緩衝機能の設計方法に関する基礎的概念を示す.